どれだけ食べてもお腹が空く理由はストレスを軽減する体の防衛反応
ストレスと食事への意識から振り返る
約10回に渡り食生活についてお伝えしてきました。
全体を通して食生活の改善に欠かせないことを一言で表すと
「心のはたらきを知ること」です。
過食や余計な間食を招いてしまう原因を理解することで空腹のサインをコントロールすることができます。
全てに共通するキーワードは
「ストレス」と「食事への意識」の2つです。
残念ながら誰もストレスから逃れることはできません。
またストレスは人によって感じ方も感じる度合いも違ってきます。
このブログでは主に食生活についてお伝えしているので、食事面からストレスとの向き合い方を振り返りながら食事からの具体的なアプローチをお伝えしたいと思います。
自分の食生活を見直そう
ストレスと食事はとても密接な関係にあり、ストレスを過剰に抱えたままでいると心と体のバランスが崩れて空腹でなくても食べ物を欲するようになります。
それが習慣化して症状が進むと過食や拒食を招く恐れさえもあります。
だからといってストレスの解消に甘いものを食べたり、思いのままに食べたりすることは脳のストレスを一時的に和らげているだけで根本的な解決には繋がりません。
ストレスを解消させていくためにはストレス軽減に効果的な栄養を摂り、食生活を改善することがとても大切です。
具体的にストレスを抱えているときにおすすめの食べ物と避けた方がよい食べ物を確認し、食生活を改善するポイントなどについて学んでいきましょう。
ストレスを抱えているときにおすすめの食べ物
ストレス軽減に効果的な栄養素は、下記の4種類といわれています。
〇セロトニンを作る栄養素
〇抗ストレスホルモンを作る栄養素
〇ポリフェノール
〇カルシウム
それぞれにどのような食べ物があるのかを確認していきましょう。
セロトニンを作る栄養素
神経伝達物質であるセロトニンは最近では「幸せホルモン」とも呼ばれており、精神を安定させる働きがあります。
セロトニンは食べたものの栄養素から脳がつくりだします。
そのためにセロトニンを作るためには、トリプトファンとビタミンB6が必要です。
トリプトファン
脳内でセロトニンを合成するときの原料です。
トリプトファンは体内で生成できないので、食事から摂らなければなりません。
食べ物から摂取したトリプトファンは日中は脳内でセロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。
そのためにトリプトファンが不足してしまうと、不眠症や睡眠の質の低下を引き起こす原因となります。
他にも糖質やたんぱく質、脂質を代謝・分解する上でも重要な働きをします。
トリプトファンが含まれる食品
〇牛乳、チーズやヨーグルトなどの乳製品
〇納豆、豆腐、醤油や味噌などの大豆製品
〇米などの穀類
〇赤身の魚、鶏の胸肉等脂身の少ない肉類
〇バナナ
〇卵
〇ナッツ類、ごま など
特に動物性たんぱく質からトリプトファンを摂取するときには「炭水化物(穀類、いも類など)」と次で紹介する「ビタミンB6」を一緒に摂ると吸収効率が上がります。
ビタミンB6
トリプトファンからセロトニンを合成するために必要な栄養素です。
免疫機能の正常な働きの維持、皮膚の抵抗力の増進、神経伝達物質(セロトニン等)の合成などの作用もあります。
ビタミンB6が含まれる食品
〇さんま、イワシ、マグロやカツオなどの魚類
〇レバー、肉など
〇バナナ
〇生姜、にんにく など
抗ストレスホルモンを作る栄養素
ストレスを感じたとき、私たちの体内では抗ストレスホルモンが分泌されます。
この抗ストレスホルモンの合成に必要なのが、ビタミンB群とビタミンCです。
ストレスを受けるとビタミンB群とビタミンCが大量に消費されるので、積極的に摂ることを心がけてください。
また疲労回復や抵抗力を高める作用もあるので風邪やインフルエンザの予防にも効果があります。
それぞれの栄養素が豊富に含まれている食品を見ていきましょう。
ビタミンB群
〇豚肉、牛肉、鶏肉やレバーなど
〇うなぎ、ぶり、サケ、マグロやカツオなど
〇カキ、あさり、シジミなど
〇納豆、豆類
〇卵
〇牛乳 など
ビタミンC
〇ピーマンやパセリなどの野菜類
〇レモンやキウイ、イチゴなどの果物類
ポリフェノール
ポリフェノールには不安や緊張感などを緩和し、気分を落ち着かせる効果があります。
ポリフェノールはカカオに豊富に含まれています
カカオ含有率の高いダークチョコレートのように牛乳や生クリーム、砂糖が少ないものを選んでください
他にも
〇リンゴ、ブルーベリー
〇赤ワイン、コーヒー、緑茶など苦味や渋味が強いものに多く含まれています
チョコレートやワインは摂り過ぎは逆効果になりますので注意してください
カルシウム
イライラしたときに心を落ち着かせる栄養素ともいわれています。
神経や筋肉の働きを保つためにも不可欠なミネラルです。
ポイントはストレスを軽減させるときには骨に蓄えているカルシウムを使用しているために積極的にカルシウムを摂るようにしましょう。
〇牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品
〇エビやイワシといった魚介類
〇小松菜やパセリなどの緑黄色野菜
ビタミンDと一緒に摂るとカルシウムの栄養吸収率が上がります
ストレスを抱えているときは避けたほうがいい食べ物
ストレスを抱えているときには控えた方がいい成分もあります。
特にカフェインや脂質、糖質はストレスを受けたときにこそ欲しくなってしまいますが、新たなストレスを生む原因となってしまうためにできるだけ我慢したほうがいいでしょう。
カフェインを含む飲み物
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは、脳を刺激して集中力を高めるホルモンを分泌させます。
しかしカフェインを摂り過ぎると神経が緊張してちょっとしたことでもイライラしてしまうという側面もあります。
カフェインの適量には個人差があり、1~2杯のコーヒーだけでもイライラの原因となってしまう人もいます。
集中力を高めたいときや、仕事中に何か飲みたいときは、カフェインレスの飲み物、ハーブティー、煎茶、ほうじ茶がおすすめです。
1杯あたりのカフェイン量がコーヒーや紅茶に比べて大幅に少ないため、神経も刺激されにくいのです。
また、茶葉の中にはストレスや不安感をやわらげることが期待できるL-テアニンが含まれているために一石二鳥の飲み物といえるでしょう!
脂質や糖質を含む甘いもの、脂っこいもの
ストレスを感じるとつい甘いものや脂っこいものが食べたくなるという人も多いと思います。
しかし体が脂質や糖質を代謝するにあたり抗ストレスホルモンづくりに必要なビタミンB群を消費してしまいます。
そのために甘いものや脂っこいものを食べるのはできるだけ控えましょう。
ストレス時の食習慣で注意すべきポイントは?
ストレスを抱えているときは、食べ物だけではなく食生活を改善することも重要です。
ストレスを抱えているときは、極力リラックスした状態で楽しく食事をすることがポイントです。
家族や友人と楽しく食べるのもいいですね。
リラックスして過ごせる相手とリラックスできる空間で食事をするように環境を変えてみてください。
食べることに意識を向けよう
ストレスを抱えているときは、ストレスに拍車をかける偏食や欠食、暴飲暴食などの不規則な食生活に気を付けましょう。
また「仕事をしながら」や「携帯電話を操作しながら」といった「ながら食べ」も避けましょう。
脳は繊細なので食事を目で認識しないとお腹がいっぱいだというサインを出すのが遅れて食べ過ぎを招く恐れがあります。
忙しくても、1日3食落ち着いて食べる時間をきちんと確保することが、ストレス解消につながります。
酒やたばこ、過食に逃げない
アルコールの代謝にも同じくビタミンB群が必要で、たばこはビタミンCを大量に消費するために飲酒や喫煙はストレス軽減を妨害してしまいます。
ストレスを感じているときに飲酒や喫煙、過食へ逃げがちになるとそれらの依存症に陥ることもあるために注意しましょう。
まとめ
ストレスを感じている時は、つい好きな物ばかり食べたり、反対に食が細くなってしまったりと食生活が偏りがちです。
しかし、そうした食生活は胃に負担がかかるばかりか、ストレスに拍車をかける原因にもなりえます。
ストレスを感じているときこそ規則正しい食生活と、彩りのある栄養バランスのとれた食事に配慮してみてください。
ただし何を食べるべきかと気にしすぎることもストレスの原因になりかねません。
適度に好きな食べ物を食べたり、リラックスして食事できる時間を確保したりしながら上手にストレスを解消して、健康的な体を維持しましょう♪
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[…] ・間食を減らしてカロリーカット・お菓子の小袋を選ぶ・200kcal以下にする・ストレスを減らす・水やお茶以外の甘い飲み物は止める など […]