アレルゲンの特徴を知る 〜加熱や加工はアレルギー対策に有効か〜

食物アレルギーを持つ人にとって自分自身のアレルギーに対する許容量や許容範囲は知っておきたい情報だと思います。

例えば卵アレルギーを持っている人で症状が比較的軽い場合ですとゆで卵は食べられるけれど、生卵は食べられないというように食べられるものと食べられないものが出てきます。

特に赤ちゃんや子供の場合は周りの大人たちの理解と協力がなければ卵を食べてしまう可能性があります。

子供たちからすればお友達が美味しそうに食べているおやつを見て我慢をしろという方が難しいですよね。

それだけではなくクッキーやケーキなどのお菓子であれば卵が使われていることも判断しやすいのですが、ハンバーグのつなぎやハム・ソーセージにも少量入っているなど油断することは出来ません。

今回はどのように気をつけることがアレルギーから体を守ることに繋がるのかを確認していきましょう。
 

アレルゲン検査でアレルギーを確認する

「アレルゲン」とはアレルギーの原因になる食べ物、飲み物、生き物や物質などを指します。

食べ物や飲み物の場合は食品に含まれているたんぱく質に対して過剰な免疫反応を示すと言われています。

どのアレルギーを発症するかは個人によって異なりますが、花粉症・慢性鼻炎・アトピーを持っている人は食物アレルギーを発症しやすいと言われています。

しかし同じ花粉症の人でも花粉にだけアレルギーを発症する場合とトマトやリンゴなどの食品にもアレルギー反応を示す場合など細かい判断は「アレルゲン検査」によって診断をしてもらうようにしてください。

食物アレルギーを持っていることによってアトピーや花粉症などの症状を悪化させている可能性もあるためにアレルギー専門医師の診断と指導を仰ぐといいでしょう。
 

アレルゲン反応は39種類にまで拡大している

現在のアレルゲン検査は簡単に受けられてどの程度アレルギーを持っているのかがわかりやすく結果として確認することが出来ます。

また、最大で39種類まで検査が可能で食物アレルギーだけではなく、ハウスダスト・花粉を含めた植物・細菌・化学物質など幅広く診断をします。

診断には実際にアレルギー症状を発症している物質以外にも潜在的な可能性として今後発症するアレルゲン物質、発症する可能性が低いアレルゲン物質といった数値やグラフ状などでわかりやすく表記されています。
 

【アレルゲン検査】
診断方法:指先からの少量採血による血液検査
検査期間:20分~約1週間(検査範囲により期間が異なる)
費用:5,000~6,000円程度(自己負担3割の場合)

 

発症していなくてもアレルギーを持っていることもある

アレルゲン検査を受けるとアレルギー症状を発症していなくてもアレルギー反応を持つ結果が出ることがあります。

アレルギーをどのタイミングで発症するかは正確にはわかっていませんので、症状を出さないためにもアレルギー物質を出来る限り避ける・減らすように心がけましょう。

ダニ・ほこり・犬猫の毛などのハウスダストや花粉の場合であれば掃除機や換気だけではなく、空気清浄機を使用することがアレルギー物質を体内に取り込む機会を減らすことにも繋がります。
 

アレルギーは改善することも悪化することもある

アレルギーの治療として「アレルゲン免疫療法」があります。
医師の管理下でアレルギー物質を継続的に少量摂取をすることで体をアレルゲンに慣れさせて症状を緩和させていく方法のことを指します。
 

免疫療法はアレルギー症状が改善することもあれば、悪化することもありますので必ず医師の指導と治療を受けられる環境でなければなりません。


他にも
特定原材料7品目である落花生、そば、エビやカニなど甲殻類のアレルギーは症状が改善していくことは難しいと言われており、アナフィラキシーショックを発症するリスクも高いとされています。
 

アレルギー表示義務がない場合がある

パン屋に行ってパンを買った時、ケーキ屋や和菓子屋でお菓子を買った時をイメージしてみてください。

全ての商品にアレルギー表示がされているわけではないことに気づきませんか?
 

スーパーやコンビニの総菜・弁当・パンやおにぎりなどで「包装されていない食品」はアレルギー表示の義務がありません。

レストランや居酒屋などの外食業態で提供される料理についてもアレルギー表示の義務がありません。


このことからアレルギーを持つ人はお店の人に料理に使われている食材を確認する必要が出てきます。

しかしアレルギーを持つ人もアレルギー品目も増えている実情からコンビニ、スーパー、外食産業においても表示義務がある特定原材料7品目と表示が推奨されている特定原材料に準ずるもの21品目の合計28品目を表記する流れが主流になりました。
 

アルコールにはアレルギー表示がない

酒は大麦、小麦や果物を原料にしていますが、アレルギー表示の義務がありません。
 

アルコールを摂取することで動悸、赤くなる、頭痛や嘔吐などアレルギー症状と似た反応を示すためにアルコールによる作用なのか、アレルギーによる作用なのかという判断が現時点では困難であるために表示の義務が発生しないのです。


しかし外食産業などと同様に大手酒造メーカーを中心にアレルギー表記をする流れが進んでいます。
 

アレルギーの反応を示す範囲

アレルギー反応が重症である場合、少量であっても体が症状を発症する場合があります。

特に加工品ですと見た目からはわからないことが多いので強いアレルギーを持つ人、赤ちゃん、子供は注意するようにしてください。

今回は特定原材料7品目を中心に確認をしていきます。
 

卵のアレルギー反応は卵黄よりも卵白(白身)の方が強く出てきます。

加熱によってアレルギーを起こす力が弱まりますが、調理方法によって加熱の度合いが異なりますので注意が必要です。

例えばしっかり固まっているプリンとトロトロのプリンでは加熱具合が違うので同じプリンであっても食べられる時と食べられない時があるのです。

卵と聞くと魚卵を思い浮かべる人もいるかと思いますが、イクラやタラコなどは「魚卵アレルギー」として別のカテゴリーになるので混同しないようにしましょう。
 

【加工品・使用品一例】
うずらの卵
アヒルの卵(ピータン)
マヨネーズ
肉製品のつなぎ:ハンバーグ、ハム、ソーセージ
練製品:はんぺん、かまぼこ
揚げ物のころも:天ぷら、フライ、とんかつ
パン
パスタ、中華麺
かに玉、親子丼、オムレツ、目玉焼、厚焼玉子、オムライス
菓子類:プリン、ケーキ、シュークリーム、エクレア、クッキー、アイスクリーム、焼き菓子 など

 

牛乳

牛乳の場合は加熱をしてもアレルゲンを不活化させることが出来ません。
そのために加工の有無を問わず食べたり飲んだりしてしまわないようにきちんと確認をしましょう。

牛乳の場合はカルピスのような乳酸菌飲料もアレルギーの対象になりますが、乳酸菌自体はアレルゲン物質ではなく牛乳と一緒に使用されることが多いためにイメージが先行していることが考えられます。
 

【加工品・使用品一例】
生乳
特別牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳
クリーム、バターオイル 、濃縮ホエイ
バター類チーズ類
アイスクリーム類
濃縮乳、脱脂濃縮乳
無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖脱脂れん乳
全粉乳、脱脂粉乳
クリームパウダー、ホエイパウダー
たんぱく質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー
加糖粉乳、調整粉乳、はっ酵乳
乳酸菌飲料乳飲料
生クリームヨーグルトラクトアイス、乳糖 など


牛乳以外があまりにも多過ぎるので、

加工品については「乳成分を含む」の記載があるものは買わない 

と割り切ってしまいましょう。
また、わからない表記はきちんと調べてから食べてください。
 

小麦

パンやうどんなどの主食だけではなく、揚げ物のころもやお菓子類、ソースのとろみを出したりうま味を閉じ込めたりと様々な用途で使われます。
 

そばや米粉パンのように一見しただけでは小麦粉が使用されているかがわからない食べ物もありますので注意する必要があります。
 

お菓子のだんごや白玉はどちらももち米の加工品なので避ける必要はありません。

同様に大麦、ライ麦、麦茶(大麦を使用)は小麦アレルギーであっても発症しないと言われています。
 

【加工品・使用品一例】
パン
パンケーキ
パスタ
米粉パン
うどん
そば(十割そば以外)
すいとん
きしめん
ほうとう
そうめん
タコ焼き、お好み焼き
おやき
小麦で醸造したビール
小麦粉、薄力粉、中力粉、強力粉
ルー(カレー、シチューなど)
醤油
穀物酢 など

 

ピーナッツ(落花生)

ピーナッツはアレルギーの中でも症状が重症化しやすいことで知られています。

口元や肌に触れるだけでもアナフィラキシーショックを発症するケースもありますので、ピーナッツアレルギーの人は決してピーナッツに近づかないようにしてください。

ピーナッツだけではなくアーモンド、カシューナッツ、くるみなどのナッツ類にアレルギー反応を示す人が増えてきました。

その中で2019年より「アーモンド」が準特定原材料21品目に追加されました。
 

【加工品・使用品一例】
ピーナッツバター
ピーナッツオイル
ピーナッツクリーム など

 

そば

そばはアレルギーの中でも症状が重症化しやすいことで知られています。

口元や肌に触れるだけでもアナフィラキシーショックを発症するケースもありますので、そばアレルギーの人は決してそばに近づかないようにしてください。
  

そばアレルギーは重症化しやすいために、そばとうどんの両方を製造している製麺工場では同じ機械を使用していなくてもうどんの製造時に目に見えないほどの小さなそば粉が混入する可能性が0とは言えません。

「本品製造ラインではそばを含む製品を製造しています」
「うどんとそばを同じ釜で茹でています」
スーパーやコンビニなどでうどんの袋に書かれている成分表示を見るとこのように書かれていることがあります。
 

【加工品・使用品一例】
そば粉
そばぼうろ
そば饅頭
そばがき
蕎麦湯 など

えび

えびアレルギーはアレルギーの中でも症状が重症化しやすいことで知られています。

口元や肌に触れるだけでもアナフィラキシーショックを発症するケースもありますので、えびアレルギーの人は十分に注意をしてください。

また、えびアレルギーはカニアレルギーも発症するリスクが高いのが特徴です。
どちらもアレルゲンとなるたんぱく質の構造が非常によく似ていることから甲殻類アレルギーとして分類されています。
  

【加工品・使用品一例】
さくらえび
えびエキス
えびの出汁
えびのスープ
えびの味噌汁
えびの卵
釜揚げしらす・しらす干し・ちりめんじゃこ(小さなえびが混ざっていることがある)

カニ

カニアレルギーはアレルギーの中でも症状が重症化しやすいことで知られています。

口元や肌に触れるだけでもアナフィラキシーショックを発症するケースもありますので、カニアレルギーの人は十分に注意をしてください。

また、カニアレルギーはえびアレルギーも発症するリスクが高いのが特徴です。
どちらもアレルゲンとなるたんぱく質の構造が非常によく似ていることから甲殻類アレルギーとして分類されています。
  

【加工品・使用品一例】
カニエキス
カニの出汁
カニのスープ
カニの味噌汁
カニ味噌
カニの卵
釜揚げしらす・しらす干し・ちりめんじゃこ(小さなカニが混ざっていることがある)

大豆

加工品が多い大豆は卵・小麦・牛乳などのように通常の生活の中で除去することが難しい厄介さを持っています。

和食の調味料に使用されているので注意して食事を選ぶようにしましょう。
 

【加工品・使用品一例】
豆腐
豆乳
納豆
醤油
味噌
湯葉
おから
高野豆腐
大豆油 など

 

ゼラチン

ゼラチンは主に牛、豚の骨や皮を原料に作られます。

牛肉や豚肉にはアレルギー反応を示すことは非常に稀で、女性に比較的多くアレルギー症状が出ると言われています。
 

加熱でアレルゲンが失活する食品

果物や野菜に含まれている酵素がアレルギーを引き起こすたんぱく質なのですが、加熱によって酵素成分がなくなりアレルギーを起こさなくなります。

りんご、もも、キウイ、バナナは特定原材料に準ずるもの21品目に分類されているためにアレルギーを持つ人が多くいますが、加熱や加工品であれば食べられるということも珍しくありません。

果物類は赤ちゃんや子供が口にする機会が多いので与える時には異変がないかを注意して見るようにしましょう。
 

サプリメントや市販薬にも食物アレルギーがある

サプリメントや市販薬を製造する時にカプセルであればゼラチンなどのように食品以外にも身近なところにアレルギー物質は潜んでいます。

食物アレルギーの原因となる牛乳、鶏卵、落花生、大豆、ゴマなど食品に由来する添加物として薬の製造には使用されていることがあるので成分表示の確認と必要により薬剤師へ確認をするようにしてください。
 

卵アレルギーの人は予防接種に注意

卵アレルギーの人がはインフルエンザと麻疹の予防接種です。

他の予防接種は関係がないのですが、この2つの予防接種はワクチンの製造過程で少量ながら卵白を使用しています。
 

重度の卵アレルギーの場合はアナフィラキシーショックを起こす可能性さえもあるので必ず医師に相談してから予防接種を受けましょう。

病院ではアレルギー症状を発症しないかの確認として予防接種後30分程度院内で経過観察を行う判断をする場合もあります。
 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
アレルギーといっても何のアレルギーか、軽度なのか重度なのか、複数のアレルギーがあるのかと個人によって様々です。

本日のポイントを確認していきましょう。

【アレルギー発症におけるポイント】
1.加熱によってアレルギーを発症しない可能性は低い

食品によっては不活化するが、大半は野菜や果物である

2.加工することによってアレルギーを発症しない可能性は低い
加工品であってもアレルゲン物質が完全に取り除かれているまたは不活化状態になっていなければ意味はない


年々食物アレルギーは種類も対象も広がっている中で、和食・フレンチ・中華・イタリアンなど食の多様化も進んでいっています。

今後は私たちに馴染みがないような食品でさえもアレルギーを持つ人がいて向き合っていかなければならないことも出てくることでしょう。

その時に相手の食物アレルギーの怖さと深刻さを理解してあげること、相手に理解してもらうことで食生活は自由で豊かになっていくのではないでしょうか。

みなさんにとって考える機会になれば嬉しいです♪

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