和食のマナー 食べ方と作法が難しいがポイントを押さえればスマートに見える

前回は箸のマナーを学びましたので、今回は和食のマナーについて学んでいきます。


和食をキレイに食べられるようになれればマナー上級者と言っても過言ではないと思います。


早速確認をしていきましょう!
 

懐石料理と会席料理の違い

懐石料理と会席料理の違いは知っていますか?
どちらも「かいせき」と読みますが、食事の意味合いが違います。


現在ではほとんどが会席料理として振る舞われていますが、意味を知っていると何を何のために食べるのかということがわかります。
ただ出されたものを食べるだけではなく、意味を知って食べると料理の美味しさも有難みも倍増するのでワンランク上の食事を嗜みましょう。
 

懐石料理は茶の湯のおもてなしの心

一汁三菜のもっと質素な食事ですが、心を込めてもてなします!

懐石料理も元々は「会席」と表していました。

しかし禅宗と深く関連している茶道において、禅宗の厳しい修行における空腹や寒さを一時的にしのぐための温石(おんじゃく)=懐に石を入れるという行為が由来です。


懐石料理は会席料理と違い、お茶会で頂くお茶の前の一時的な空腹を満たす少量の食事が基本です。

茶道の心である侘び・寂びを料理で表しているので
1.旬の食材を使う
2.素材の味を活かす
3.心からのおもてなしをする
この3原則を基本としています。


現在では茶会の時の食事は「茶懐石」と呼ばれることの方が多くご飯と汁物が最初から出て来ることも特徴ですが、一汁三菜を基本としているために和食のマナーにも大きな影響を残しています。
 

会席料理はお酒を酌み交わす席のための料理

食べる順番が決まっています!

懐石料理と同じく一汁三菜を基本に料理が構成されていますが、懐石料理とは違ってご飯と汁物は食事の最後に出てきます。

懐石料理はお茶を楽しむ前の軽めの食事に対して、会席料理はお酒を嗜むための食事とされていて1品ずつ出て来ることも特徴です。

簡単に言えばフルコース料理の日本料理版ですね。
どのような料理が出て来るのかも併せて確認しましょう!
 

会席料理の献立(一例)

先付(さきづけ) ・・・ お通し、突き出し
椀物(わんもの) ・・・ 吸い物
向付(むこうづけ) ・・・ 刺身
鉢肴(はちざかな) ・・・ 焼き物、焼魚
強肴(しいざかな) ・・・ 炊き合せ、煮物、揚げ物等
止め肴 ・・・酢の物、和え物や茶碗蒸し
食事 ・・・ ご飯・止め椀(みそ汁)・香の物(漬物)
水菓子 ・・・果物、甘味

  • 先付け
    お酒と一緒に食べるものとして出される前菜。
    先にお腹に食べ物を入れることで酔いが回りやすくすることを避ける配慮がされています。
  • 椀物
    味の濃い先付けとお酒の味を中和する口直しの役割。
    薄めの味付けをした少量の汁物が出てきますので、冷めないうちに頂きましょう。
  • 向付
    懐石料理の流れからご飯や汁物の奥側(向こう側)に置かれていたことに由来し、季節の刺身が出てくるのが一般的。

    なます(肉や魚肉を酢で〆た酸味を効かせた料理)を指すこともありますが現在ではあまり見られません。
    また日本の場合はなますは獣肉を食べる習慣が元来なかったために魚肉を使用します。
  • 鉢肴
    懐石料理の流れから大きな器に盛られた焼き魚を取り回して食べていたことに由来し、茶の湯では器を愛でることも重視されていたために器を鑑賞しながら魚を頂いていた。

    1品目のメインとして一般的には季節の魚やえびなどを焼いたものが出てきます。
    中盤なので魚であれば切り身、えびであれば1本と控えめな量で出てきます。
  • 強肴
    懐石料理の「預け鉢」を指し、2品目のメイン料理として出される味をしっかりとしみ込ませた煮物や炊き合わせを大きな器に盛ってみんなで取って食べていたことに由来。

    しかし懐石料理は元来焼き物までの質素な軽食だったために後々に追加されたものです。
    会席料理では煮物の代わりにおもてなしの心を込めて豪華に天ぷらが出されることも多いです。

    この時に蒸し物が一緒に出されることがあります。
    一般的には茶碗蒸しですが、季節の野菜の蒸し物が出る場合もあります。
  • 止め
    季節の野菜や魚を使った酢の物が一般的だが、和え物が出されることもある。
    強肴を食べたのちに出される止め肴はご飯を食べる前の口直しとして出されます。
  • ご飯、味噌汁、香の物
    香の物は漬物を指す。
    食事の最後に出されるので量は少なめで、地域によって味噌汁の味が異なります。
  • 水菓子
    季節の果物やお菓子を指す。
    お茶は水菓子と一緒に出されますが、水菓子を食べた後に頂くとよりスマートです。

いかがでしたでしょうか。
盛り沢山な献立の一つ一つにもてなす側の人と料理人が込めた思いが見える気がしませんか?
お酒を飲みながらこれだけのおもてなしをしてもらえたら、みんな笑顔になれますね!


前置きが長くなりましたが、改めてマナーについて学んでいきましょう。
 

器を置いたまま食べない

和食は器を手に持って食べることが大前提です。
小皿等を使用するように手に持って食べられる器を基本的には使用しますので、手の平サイズ以上または手で持つには重さがある器以外は持って食べましょう。


器を持って食べる文化を持つ国は広い世界で唯一日本だけです。
米や雑穀、豆類などの小さな食材を食べることと一汁三菜のように器に少しずつ盛るようにする文化に由来するかと思われます。


大切な文化としてきちんと後世に伝えていきたいですね。
 

お椀のマナー

蓋が取れなくても焦らずに

お椀の蓋が開かないことがあるかと思います。
そんな時はお椀の縁を軽く握るようにして力を入れてみてください。

イメージはペットボトルを少し強めに握るイメージです。
両側からの力によりお椀がわずかに楕円形になり、蓋とお椀に隙間が生まれて簡単に蓋が取れるようになります。

その後は蓋を傾けて蓋についた水滴をお椀の縁で落としてから裏返して開けます。
その時にお椀が右側にある場合は蓋を右側に置いておきます。
お椀が左側にある場合は左側に置きます。

食べ終わったら蓋は元の状態に戻します。
蓋を裏返したままでお椀に戻すことはマナー違反であり、漆などの繊細なお椀に傷を付けてしまうので避けましょう。

 

器やお椀を重ねない

和食器は繊細です


和食器はどれも繊細なものが多く、陶磁器の底がざらついているものもあるので皿を重ねると他の皿に小さな傷をつけてしまうかもしれません。
お椀は特に繊細な素材で出来ていることが多いので同様に重ねることは避けましょう。


スペースを空けるためにも食べ終わった大皿の上に使った小皿を重ねたくなりますが、お店の人にお片付けはお任せ!の心も大事です。
 

刺身は手前から食べよう

手前から奥へ向かって食べると美味しく食べられる

刺身は盛り付けを崩さないように左手前から箸をつけます。

刺身が数種類盛り合わせてある時は、味が淡白な白身から貝類、脂の乗った赤身の順番で食べると味を損なうことなく最後まで楽しむことが出来ます。
天ぷらも同様に野菜や淡白なものから食べると美味しく食べられます。



次回お店で頼んだ時に手前側に白身の刺身、奥側に赤身の刺身が持ってあるかを確認してみてください。
お店のこだわりを感じることが出来るかもしれませんね。


薬味として添えてある花穂紫蘇(シソの花)や蓼(たで)は好みで刺身に直接乗せて食べます。(シソの花は転がるようであれば直接口に含みます)

山葵(わさび)は醤油皿に入れてしまうのではなく、刺身の中央に少量のせ折り畳むようにして箸でつかみ醤油をつけて食べましょう。
山葵は醤油に溶くよりも刺身に直接乗せて食べる方が香りも辛味も感じることが出来ます。

刺身の皿に乗っている大葉や大根のツマはお好みで、大葉口直しにもなりますし大根は胃の消化を助ける作用があるので理にかなっていますね。
 

魚は骨を外して食べる

骨が厄介です

尾頭付きでも切り身でも焼き魚や煮魚は頭が左を向いていますので、左側の腹側から食べていきます。


胸ビレや背ビレなどをはずして、左側の端から中骨に沿って箸を入れていき腹側と背側で切れ目を入れます。


腹側を食べて、背側を食べたら反対側を食べますが、身をひっくり返すことは残念ながらマナー違反です。


身と中骨の間に箸を入れて中骨を頭と共に外して、皿の奥側に寄せておきます。
下の身も左下側の腹から食べていきます。


食べている間に気になる大きさの魚の骨が口に入ってしまったら、必ず口元を手で隠しながら箸で口から骨を取り出すようにしましょう。


食べ終わった後に残る皮や骨などは器の右奥一カ所にまとめて、皿に敷いてある大葉や魚の皮などで覆って見苦しくないようにします。


食べた後をきれいにするのがマナーですが、皿に敷いてあった紙を折り返して使用するような大掛かりなことは避けて出来る範囲で整えるようにしましょう。

まとめ

今日から出来ることをやろう!

和食は身近なはずなのに意外と知らないことも多かったのではないでしょうか。


食事のマナーは全般としてキレイに食べて、食べた後もキレイであることを理想としています。
少しずつ意識をすれば必ず身につきますので、今日から練習していきましょう。


また会席料理も懐石料理も「一期一会」の精神を強く踏襲しています。
一生に一度しか巡ってこないこの機会を大切にするために、部屋の掃除はもちろん生ける花や掛け軸を選び、庭の手入れに美味しい食事という最上級の心でお客様をもてなす姿勢をぜひ料理から感じ取ってみてください。


美しい心から生まれる美しい料理を大切な人と食べられる幸せを噛みしめることがステキな女性になる本当の意味での第一歩なのかもしれませんね♪


次回は洋食のマナーを一緒に学んでいきましょう。

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